こんにちは、ツマです。
美容師が独立し、開業する前に、まずは独立のリアルについて知りたくなるのではないでしょうか?
今回は美容師の独立開業の実態と、実際に独立開業している夫のリアルについて、美容師さんが独立について気になっていることをお話しますね!
・美容師の独立開業の実態
・自分のお店を持つだけではない?!独立の方法!
・実際に独立した夫のリアル
独立開業の事情とその実態
厚生労働省は令和元年度の衛生行政報告例で発表した日本の美容室の数は、平成27年3月の時点で25万4,422軒と過去最高の施設数でした。
そして、この記事を投稿した際の最新情報である、令和2年度の衛生行政報告例では、257,890軒とさらに増加(前年度比1.4%増)でした。
数だけで見ると毎年3,000軒ずつ増えているように見えますよね?しかし美容室は毎年1万店舗ほどが新しく開業しているんです。つまり、その裏で毎年7,000店舗以上が閉業していると言われているのです。
美容室の開業から5年以上経営している割合
全国の個人事業主の中でも、開業してから5年以上経営を続けている店舗は約26%と言われており、開業した4店舗のうち1店舗は廃業してしまうという厳しい状況にあるそうです。
また、1年以内に廃業する店舗は約38%以上、3年以内に廃業する割合は約90%となっているそうです。
この数字だけを見ると独立開業することは、賭けに等しいのではないか。。。と感じでしまいますね。
独立の問題
独立開業までの問題
独立開業に必要な最低限のものは、「資格」と「お金」と「場所」です。
「資格」
言わずもがなですが、美容師として開業するには、最低限美容師免許の資格が必要になります。
ちなみに美容師免許を持っている人を雇えば、オーナーとして免許がなくても開業することは可能で、この例で、美容室を開業した経営者さんもいます。
「お金」
開業の悩みにもある「お金」の問題。これは、開業を考えている人にとってとても大きい問題です。決して多いとは言えない給与で生活をしている中で、開業のための資金を準備するのは、とても困難です。それにも関わらず、店舗として開業するには、基本的にたくさんのお金を必要とします。
「場所」
開業するためにい必要な店舗の場所。これもなかなか見つかりません。
美容室として経営していた場所を「居抜き物件」として使用する方法もあります。これは前述した「お金」の問題を少なからず解決するメリットがありながら、この方法は、もともと閉業した場所というリスクも伴うこともあります。
開業するまでに、この3つの問題にぶつかるのではないでしょうか?
「お金」×「場所」は、とても大きな問題であり、解決できたからといって安心していいものでもありません。
開業してからの問題
独立開業までにもたくさんの問題を抱えてきました!
全てをクリアしてやっと開業!しかし、ここでもいくつかの問題はあります。
【独立開業後の問題】
・お金の問題
・集客の問題
・経営の問題
・会計等、雑務の問題
・独立してからわかった問題
特に大切な問題が、「独立してからわかった問題」です。これは、世間一般で言われている独立の難しさとは異なって、本当に独立した本人したわからない内容になっています。
独立を考えている人には、覚悟のためにも、是非知っておいてほしい内容となっています。
1つ1つまとめたので、是非見てください♪
お金の問題
この「お金の問題」は前述した通り、開業前から上がってくる大きな問題。
閉業する理由も、この「お金」によるところが多いと思います。
【開業のために】
・店舗物件の資金
→物件の取得費用
→内装等の工事
・美容室に必要な機器・備品
・開業後の運転資金(最低3ヶ月分)
【経営のために】
・HPの制作費用
・チラシなどの集客媒体の制作費用
実際に開業するにあたって、私の夫は上記の費用をかけました。
ここまでの資金を用意するのに、決して多いとは言えない給与で生活をしている中で、開業のための資金を準備するのはとても困難だと思います。
この「お金」の問題を開業するために、資金調達として銀行などの融資をうけることが多いのですが、この資金を払い続けながら、店舗の家賃を払い続けることはとても難しく結果的に、経営が順調に進む…つまり、売上が安定するまでにこの支払いに耐えられなくなり閉業してしまうのです。
集客の問題
今まで技術者として働いてきて、その技術・スキルを身につけてきました。
しかし、いざ開業してお客さまを集めようとした時どうやってやりますか?
会社員として美容室に勤めて行った時には、集客はホットペッパーなどの媒体や会社が行ってくれたのではないでしょうか?
美容師として経験年数を重ね、より良い技術を身につけても、実際に経営者としては1年目。そして、どんなに良い技術を持っていてもそれを伝える方法がないと宝の持ち腐れになるのです。
そういった集客の方法を知らないまま開業し、自分の技術がお客様に知れ渡る、売上が安定する前に支払いの重しにやられてしまうのです。
経営の問題
前述したように、美容師歴が長くても経営者としては1年生。
ただ美容業をするほかにも経営者としてたくさんのことをやらなくてはいけません。
・お客さまとのやりとり
・営業に関する連絡など(HPやSNS等)
・店舗の管理(清掃や物品管理)
・集客
・会計処理
ざっと上げてもここまでの内容を行わなくてはいけないのです。
これら全ては、夫の美容室で実際に行っていることです。
今まで営業でお客さまとの美容業ばかりをやっていた人にとって、急に経営者になるということはとても難しいことだと、夫を見て感じました。
会計等、雑務の問題
このブログを始めて1年で大した記事数でもないのにも関わらず、たくさんの人がこのブログを見にきてくれました。
このブログですら求めている人がいるほどに、開業後の会計処理とその確定申告はとても大変なものです。
夫も確定申告の時期になった時、1週間以上は家に帰らずお店で寝泊まりして確定申告を行うほどでした。
確定申告の時期は2月中旬から3月中旬。美容室にとっては、繁忙期の一つだと思います。そんな大切な時期を毎年、確定申告に費やしているオーナーさんが多くいます。そして、確定申告の大切なポイントや正しい方法がわからないまま、提出してしまっている人も多くいるでしょう。
正しい方法がわからないということは、結果税金が高くなっていたり、戻ってくるはずの税金がもらえなくなったりと損することばかり、せっかく努力して集客や日々の営業で得た売上を簡単に手放すようなものです。
独立してからわかったこと
夫が独立開業してから、そろそろ3年が経とうとしています。
夫のお店は、開業当初から売上も安定しているため、今までの上記問題に関しては解決していると考えています。
経営に関しても夫は学習し続け、またもとから経営が好きで、人の元で働きたくない(=開業することを大前提に)美容師になったため、解決できたのではと思ったいます。
しかし、そんな夫が常に悩んでいることがあります。
「1人で背負う責任」
これは、独立開業しないと出てこない悩みだと思います。
夫はもともと独立志向の強い性格で、独立における困難や大変なことはほとんど理解していたと思いますし、またそんな困難も耐えてきました。
そんな夫が開業当初からずっと言っていることは、「責任の重さ」です。
単純にお客さまがいなくなる「失客」もそうですが、自分が働けなくなったら完全に収入が減るリスクと常に一緒にいるような、拭えない不安があるようです。
私たちの場合は、夫が開業してからすぐに私も夫の仕事の手伝いをしたため、夫が唯一の稼ぎ頭です。そのため、自分が働けなくなったらどうするか、お客さんがいなくなったらどうするか、そう言った不安がより強いのかもしれません。
ここに関しては、開業年数を重ねていくことが必要なのかもしれないと、今は考えています。
独立開業するメリット
さてここまで、独立に関わる問題についてあげてきましたが、メリットに関してもお伝えしますね。
・時間的自由度が増す
・私生活の時間が増える
・自分好みのお店にできる
・ストレスが減る
・収入幅が上がる
・(お客さまを選ぶことができる)
時間的自由度が増す
フリーランスや個人事業主、独立開業に憧れる理由としては、この時間的な自由度を考えている人が多いのではないでしょうか?
これは、独立開業の最大のメリットとして考えて十分なくらい時間的な自由度は増えました。
夫が大手のサロンで美容師をしていた頃は、毎日帰宅が22時を過ぎることが当たり前、休日も毎週月曜日の休日と月1回の希望休(火曜のみ)だけでした。しかもそのお休みのうち1日は研修などの参加が必須で、ちゃんとしたお休みは月4日ほどしかありませんでした。
独身の修行時代ならまだ良いかもしれませんが、結婚して子どもが生まれた人からすると、家族行事なんて全くできないも当然でした。
しかし独立してからは、夫は仕事を不定休にしているので、自由に定休日が決められるし、営業が安定してからは、週3日休むことがほとんどです。
仕事の日も予約が終わればすぐに帰ってきたり、午前中はゆっくり過ごしいてから営業に行ったり・・・自由な営業スタイルをしています。
おかげで家族との時間も増えて、同じ美容師とは思えないほど生活が変わりました。
このことから結婚などのライフスタイルの変化に伴って職場を変えたり、独立開業する美容師さんが多いことも理解できます。
私生活の時間が増える
前述した通り、時間の自由度が増えたことで私生活の時間が増えました。
前術した定休日の日数で単純に計算すると、勤め人の時はお休みは月4日。独立開業してからは月12日。多めに行ってはいますが、休みが3倍になっています。
また、ゴールデンウィークなどの連休は意外とお客さんが来店しないことも…そんな閑散期に休みたくても休めないのが勤め人。しかし独立開業していたら、お客さんがいない日は、そのまま休みにすることも可能です。
自分好みのお店にできる
これは独立開業する際の楽しみの1つですよね?
自分が好きな雰囲気のお店にできて、好きなものを置いたり、こだわりのシャンプー台・スペースを作ったり・・・さんざん想像イメージしてきた自分好みのお店作りにできます!
集客のことを考えると、清潔感のあるお店にすることは大前提ですが、それでも前のお店に置いてあるような趣味の悪い飾りや(※ツマの想像です)、お客さんにとって居心地の悪そうな椅子、鏡やポップなど・・・「もっとこうすればいいのに!」と散々ヤキモキしていた思いを全て自分のお店にぶつけることができます!
ストレスが減る
どんな仕事でも少なからずストレスはあると思いますが、自分で決められないことへのストレスや人間関係でのストレスなど、忙しく働く美容師さんにはいろんなストレスがありますよね。
夫の場合は、上記で挙げた2点のストレスが多くありました。
中でも人間関係のストレスは日本人が多く抱えている問題ですし、長時間お店でずっと一緒にいる美容師さんたちにとっては大きくのしかかってくる問題なのではないでしょうか?
夫が前に勤めていた美容室では、そういった人間関係の問題が減るように定期的にレクリエーションが行われていたし、みんなで切磋琢磨して頑張る!という環境づくりを大手の美容室のオーナーさんは考えていると思います。
どれだけ仲の良いメンバーであっても他人なので、少なからずこういったストレスはあると思います。
その他にも、美容師の仕事の性質上、お客さんとの会話や他のスタッフのアシスタントに入ったり、気を回さなくてはいけないことばかり・・・
独立開業したら、他のスタッフさんとのやりとりや、忙しい時の気回しなどもなくなり、お客さんと関わるのも、時間も予約も全て自分で管理するので、やり方によっては自分で自由に管理できます。
そういった点で、今まで感じれていたストレスが大幅に減ります。(もちろん前述した責任感などのストレスはあります。)
収入幅が上がる
勤め人の頃は美容師時代、基本収入は手取りで20万円前後。長く勤めて、毎月多くの売上を出しても、手取りで30万円いくかどうかというのが勤め人美容師のリアル。
独立してからは、売上は全て自分のものになります。
もちろん売上が全部自分の手元に残るわけではないのですが、だいたい60万円程度の売り上げを上げることができれば、手残りが30万円と同等くらいにいはなります。
そう考えると、売り上げ次第ではいくらでも収入を増やすことができます。そこにはとても夢を感じますよね!!
(お客さまを選ぶことができる)
これは、マーケティングの話になるので、簡単にできる!というわけではありませんが、勤め人の頃は、会社が集客をしてくれておたので、来店したお客さんを選ぶことなんてできませんでした。
しかし、独立開業すれば、自分好みの店舗・営業スタイルにできるわけですから、同じ価値観やその好みに合うお客さんが来てくれます。
例えば、夫のお店では、高級感のあるお店に見せることで、お客さまの層を10〜20代ではなく40〜50代の女性にすることができました。
正しい経営方法を学び、計画的に経営を行うことで、そういった「客層を選ぶ」ことも可能になっていきます。
そうなると、安売り→価値売りに変化し、少ない営業で多くの利益を上げることができるので、結果的に自由な時間が増えるなどの利点が得られるようになります。
独立する方法(意外な方法?!)
独立開業には、大きくわけて2つの方法があることを知っていますか?
ここからは、その美容室の開業方法についての2つのパターンを説明しますね!
自身の完全オリジナルで開業する
全てを自分で行う「オリジナル」という方法
実は、オリジナルという言い方だということは、この記事を書くために調べていた際に知ったのですが・・・
基本的にこの方法が世間的に言われている独立開業の方法です。
手順としては、店舗物件選びから、デザイン・施工業者の手配、各種届け出を行って、オープンするという流れ
オリジナルで開業すると、自分の希望通りの店舗を作ることができ、またお店の方針や営業スタイルも全て自分で決めることができます。
しかし、美容室の経営はオープンしてからが本番です。
個人の経営では、前述したようにお店に関することは全て自分で決められるというメリットもありますが、その分経営に関する知識をしっかりと習得する必要もあります。
売上が安定するまでの集客はもちろん、安定してからも売上が低迷するような問題が起きれば、1人でそれを対処しなければなりません。
「オリジナル」の方法には、経営が軌道にのるまで赤字期間が続いても営業を続けられる、十分な資金計画をしていること、十分な経営知識を身に着けていることが重要になります。
フランチャイズで開業する
近年よく聞く「フランチャイズ」という方法。
大手のサロン会社本部とフランチャイズ契約を結ぶことで、実際に実績を残している美容室のビジネスモデルを自分の店舗で活用することができる仕組みです。
ビジネスモデルを活用する対価として、本部に対してロイヤリティを支払うなど、フランチャイズの会社によって内容は様々。
本部から経営に関するバックアップを受けながらお店を運営できるので、経営が初めてでも集客や営業がしやすく、事業に失敗する可能性を抑えられると言われています。
また、商品や集客方法など、経営に関する面倒事は会社が行ってくれるので、オーナーになっても自分の店舗の営業のみに集中する事ができるので。経営には興味がないけど、自分のお店を持ちたい!と考えている方にはいい方法です。
大前提として、会社のバックアップのもとで経営するため、自分自身で事業アイデアを立案し実践するタイプの起業をしたい人には 物足りなさを感じるなど、向いていない傾向にあります。
実際に独立したリアル
独立開業の方法について、大雑把にお伝えしましたが、ここからは私の夫が実際に「オリジナル」として独立開業したリアルについてお話ししますね!
独立開業する前
夫が開業する当時、私は看護師として病院で働いていました。
夫はもともと独立志向の強い性格で挑戦するタイプ、私は常に不安や問題を意識してしまう「安定思考」。夫が独立すると言った時は当分は看護師を続けて金銭的にサポートしていこうと考えていました。
夫が開業すると決めたのは勢いでした。思いたったのか、急に仕事を辞めると言い出し、開業すると言い出しました。しかも27歳。そして何より美容師免許の国家試験前でした。
知っている人もいると思いますが、美容師には通信制の学校で働きながら資格を取る仕組みが現在も残っています。この話はまた別の記事にしますが、夫はこの方法で美容師になりました。
そんなアンバランスな状況の中で私の夫は独立開業をしました。
もう不安しかしかないですよね・・・(笑)
独立開業した「今」
開業してから、人柄とお客さまに恵まれて、危機なく現在まで経営が行えました。
独立開業してから、1番大変だったことは事務棟のやることの多さと営業の全てを自分で行う大変さ、そして前述した「責任」に関する精神的な疲労でした。
夫がよく「勤め人の時は身体的に、独立してからは精神的に疲れる」と言っています。
しかし、経営をすぐに安定し、開業3ヶ月で私は看護師を辞めて経営のサポートを行いました。つまり看護師を辞めれるまでに経営は安定しました。
不安定な状況でなぜうまくここまで行ったのか、それは人柄やお客さまが良かったという運ではなく、ちゃんと経営の学習をしてきたことにあります。(学生の頃から自分の店をもつことを決めていたので、ずっと学習していました。)
開業はちゃんとした計画があればオススメ!
開業したから、夫は今までと全く違う仕事をしているのではないかという程生活が変わりました。
・私生活の時間が増えた
・身体的な疲労が減った
・自由になった
・収入が増えた
この変化はとても大きいと思いました。
夫が大手のサロンで美容師をしていた頃は、毎日帰宅が22時を過ぎることが当たり前、休日も毎週月曜日の休日と月1回の希望休(火曜のみ)だけでした。しかもそのお休みのうち1日は研修などの参加が必須で、ちゃんとしたお休みは月4日ほどしかありませんでした。
独身の修行時代ならまだ良いかもしれませんが、結婚して子どもが生まれた人からすると、家族行事なんて全くできないも当然でした。
美容師はそういう仕事だ。と諦めている人もたくさんいるそうです。
しかし独立してからは、夫は仕事を不定休にしているので、自由に定休日が決められるし、営業が安定してからは、週3日休むことがほとんどです。
仕事の日も予約が終わればすぐに帰ってきたり、午前中はゆっくり過ごしいてから営業に行ったり・・・自由な営業スタイルをしています。
おかげで家族との時間も増えて、同じ美容師とは思えないほど生活が変わりました。
そして、収入面。
勤め人の頃は美容師時代、基本収入は手取りで20万円前後。長く勤めて、毎月多くの売上を出しても、手取りで30万円いくかどうかというのが勤め人美容師のリアル。
独立してからは、売上は全て自分のものになります。
もちろん売上が全部自分の手元に残るわけではないのですが、だいたい60万円程度の売り上げを上げることができれば、手残りが30万円と同等くらいにいはなります。
そう考えると、売り上げ次第ではいくらでも収入を増やすことができます。そこにはとても夢を感じますよね!!
最後に
いかがでしたか?美容師の独立開業に魅力を持ったでしょうか?それとも、独立に不安やマイナスなイメージを持ちましたか?
魅力を持ってくれたなら、あなたは独立に向いていると思います。
不安やマイナスイメージを持った人でも、正しい準備と経営の勉強をして問題を極力回避していくことで、独立開業のリスクを減らすことができます!
そして何より、このブログは会計に関する問題や、また集客に関する悩みを少しでも解消できるように始めました。是非、経営の参考にしてくれると嬉しいです!